日本には「盆暮れ」という言葉があり、手土産を持って挨拶に行ったり、行けない時には「心ばかりの品」を送り届けたりします。
盆で贈るのが「お中元」
暮れで贈るのが「お歳暮」です。
今日はお歳暮についてお話しようと思います。
お歳暮とは
歳暮(せいぼ)というのは、年(歳)の暮れのことです。
歳末(さいまつ)・歳晩(さいばん)とも言われます。
歳末は現代でも普通に用いられ、「歳末セール」に心躍ることありますよね。
お歳暮は、年の瀬に一年の厚情へのお礼として、本来は直接訪問して贈り物をするものです。
年の初めにも年始として訪問しお年賀をお渡しして「この一年もよろしくお願いいたします」の心を伝えますが、それに対し「一年ありがとうございました」と品物を持って挨拶に行くのです。
今ではデパートなどから直接配送してもらうことも多くなりましたね。
以前は会社間、会社と官公庁間でもお歳暮のやり取りをするのが慣習でした。
しかし、現在では公務員がいわゆる利害関係者から、お歳暮などの金銭・物品を受け取ることが禁止されています。
民間企業では法令で規制・禁止されているわけではありませんが、企業方針として取引先からの高額の贈答品は受け取りを辞退したり、社内での贈答を全面禁止する企業も増えています。
そのような事情から、今では個人間でお世話になった方に贈る場合が多くなりました。
お互いにやり取りするなら面倒だし、お金ももったいないから止めようという考えもあると思います。
確かにそれも良いとは思います。
ただ、私のように古い人間は、多少なりともお歳暮を贈り合うことで、心が伝わるといいましょうか、「自分にとって、大切な方だ」と確認し合うような気持になりますので、どうもやめられません。
贈ればお礼の電話があって、半年に一度でもお話ができ、笑いながら近況を報告できたりするのも、お歳暮の良さだと思っています。
昔のように義理で上司にばらまかなくても良くなったので、親しい方への気持ちを贈っています。
お歳暮 のし
お歳暮の熨斗は、内熨斗でも外熨斗でも構いませんが、水引の形は、蝶結びです。
今では熨斗の紙を貼って贈るケースも多く、百貨店やスーパーのお歳暮コーナーから送る場合は全てやってくれますので心配いりません。
熨斗には贈り主の名前を入れます。
直接手渡すから名前を入れないという方もいますが、来客の多い家では一度に沢山お歳暮をもらい、誰からどれをいただいたかが分からなくなってお礼に困ることもあります。
無地熨斗ではなく、気持ちが伝わるように名前も入れる方が良いと思います。
お歳暮時期
一般的には12月13日から20日までに贈ります。
ただ、これも地域によって違いがあり、一概には言えません。
その地域ではいつが最適なのか、知っている方に訪ねるなどすると良いとは思いますが、まぁ12月10日過ぎから20日に賭けて贈っておけば問題がないと思います。
お歳暮 挨拶状とお礼状
挨拶状(送り状)
お歳暮を持って訪問する場合は、挨拶もお礼もできるので、特に必要ではないのですが、配送する場合などは一言添えると、より感謝の気持ちを伝えることができると思います。
一般的に、お歳暮の送り状(挨拶状)は品物に同封して送ります。
品物と別送(デパートなどからの配送など)の場合は、品物よりも先に相手に届くように送り、お歳暮を贈った旨を伝えると良いです。
送り状は、一般的な手紙の書き方で書くようにします。
一般的な送り状の書き方の流れは、以下の通りです。
- 頭語・時候のあいさつ
- 相手への感謝の気持ち
- 贈り物について
- 末文・結語
- 日付・著名
どんなに親しい間柄の方でも、時候のあいさつは書くようにします。
また、贈り物について詳しく書きすぎると押しつけがましく取られたりもするので、「心ばかりの品」程度の書き方にします。
目上の方や会社の上司などには封書も良いと思います。
封書の手紙ですと近況の報告などもできますし、内容が他に漏れることがありませんし。
ただ、ざっくばらんな関係の場合には、ハガキでも十分だと思います。
お礼状
お歳暮をいただいた後にすぐ出すのがお礼状です。
一般的なお礼状の書き方の流れは、挨拶状に準じます。
- 頭語・時候のあいさつ
- 相手へのお礼の気持ち
- 頂き物についての感想などや、送り主本人や家族の健康を願う言葉など
- 末文・結語
- 日付・著名
昨今では挨拶状やお礼状を省略し、電話やメールなどでお礼をすることが多くなりました。
それも良いと思います。
電話ですと相手の声を聞きながらお礼を伝えることができますから。
それに、贈った方は届いているのか心配をしていますから、いち早くであれば電話に勝るものはありません。
また、電話をしても不在であったり仕事中では出ることがかないません。
そんな場合はメールの利用も良いと思います。
あまり親しくない場合の儀礼的なお礼の場合は、儀礼を欠かない程度のハガキのお礼状でも良いのかなと思います。
いただいて1週間以内には必ず出しましょう。
お歳暮 お返し
お歳暮というのは日頃お世話になっていることへのお礼(感謝の気持ち)にあたるので、基本的にはお歳暮を頂いてもお返しは不要とされています。
そうはいってもいただいたらお返しが必要なのではと思ってしまいますよね。
お返しが不要の場合を覚えておきますと迷うことがないと思います。
1.会社宛に取引先からお歳暮を頂いた場合、
2.職場の部下から上司がお歳暮を贈られた場合、
3.自分たちが仲人をした夫婦からお歳暮を頂いた場合
それ以外、例えば会社の同僚や友人、知人からお歳暮を頂いた場合はお返しをしても問題ありません。
貰いっぱなしではスッキリしないという場合はお返しをすると良いと思います。
では、いくらぐらいのものをお返ししたらいいのでしょう。
お返しの金額は「頂いたものの半額から同額程度のもの」が相場です。
一般的に慶事や弔事でご祝儀や香典を頂いた場合などは「半返し」としていただいたものの半額程度からそれ以下をお返しします。
お歳暮は相互にやり取りができるので、同額程度ぐらいまでと範囲が広くなります。
逆に頂いたものよりかなり高額のお返しをしますと、相手に対し失礼になると同時に、「もう贈らなくても結構です」という断りと判断するのが通例です。
同僚や友人などであれば、同程度が無難です。
お歳暮 おすすめ
お中元やお歳暮は記念品とは違い日常で使い切ることのできる消費財や食品を送るのが一般的です。
日常で使い切ることのできる消費財を贈る場合のおすすめ
洗剤であったり入浴剤 、タオルやシーツ、お歳暮は冬ですから毛布類などがそれにあたります。
基本は喜んでいただくためのギフトです。。。意外に難しいですね。
先様の家族構成や好みも有ります。
例えば洗剤などは、香りが好きで使いつけているものがある場合などは「いただいてもちょっと。。」ということもありますが、いくつあっても必ず使うものなので、育ち盛りのお子さんがいるご家庭などには喜ばれるかと思います。
タオルなどは、ありきたりと思うかもしれませんが、日常で使うので消耗しますから重宝します。
昨今は今治ブランドのタオルが好評です。
ギフト関係の仕事を5年ほどさせていただきましたが、「頂いたタオルがあまりにも心地良かったので自分も贈りたい」という方が思いの外多く、驚いたものでした。
上のバナーは桜の模様で明るく華やかなイメージですから、新年に向けてのギフトとしては良いのかなと思います。
今治タオルはグレードが高く高級なイメージがありますし、価格帯も揃っているので予算に応じて選びやすいと思います。
また、冬場ですから、毛布やボアスリッパ、ひざ掛けなども良いですね。
見ただけで暖かそう。イメージは↓
食品のお歳暮おすすめ
食品とは言っても、お歳暮ですから、おせちに入れられるものやクリスマスなどに利用できるオードブルなども良いかと思います。
ハム類
子供から年配者まで食べられる筆頭はハム類と思います。
焼いても、そのままでも切るだけで食べられ、年末年始のお酒のおつまみやおせちへ詰めたりと活躍します。
ハム類にはJASのグレードがついています。
ギフト用のハム類は特級以上のものが出回りますから、普段はあまり食べません。
混合肉なのか、増粘剤や結着罪は使用されているのか、腸詰であれば羊腸なのかコラーゲン吹付なのかなどなど詳しく書けば長くなるのでここでは省きますが、いずれにしても品質がしっかりしているものが出てきます。
海鮮グルメ
年末は北海道や越前など、海産物が美味しい季節です。
北海道の海鮮では、このようなギフトが
8種入りで5,000円未満で購入できます。
北陸福井のセイコ蟹(松葉ガニの雌)も美味です。
スイーツ
お子様のいるご家庭や、スイーツ好きの方がいるご家庭に喜ばれるのはスイーツ。
昨今は冷凍配送が多く、日持ちがするのでいいですね。
またお正月を控えているので和ものも喜ばれます。
忙しいご家庭に
年末で主婦が忙しいご家庭には、おかずになるグルメも良いですよ。
酒類
お酒が好きなご家庭には、ビール、日本酒、ワイン、ウイスキーなどを贈るのも喜ばれます。
先様の好みが分かっている場合は、それに沿った銘柄を贈ると良いと思います。
嗜好品なので、こだわりがある方も多いですから。
ビールなどは、酒屋さんに行ってケースで贈るもよし、百貨店やネットからギフト用の詰め合わせになっているのを贈るもまた良しです。
イモ焼酎も、こうなると立派なギフトです。
大切な方には、少しお高いのですが、こちらのウイスキーなら喜んでもらえると思います。
お歳暮まとめ
お歳暮の原点は、一年の感謝と、来年へのつながりを望む「心ばかりの品」です。
心を伝えますから、贈る相手の喜ぶ姿を想像して、あれこれ選ぶ過程も無駄ではありません。
今では通信販売も充実していて、簡単に遠方のグルメを満喫することが可能になりました。
日頃会うことがあまりできなくても、ギフトを通じて心が通うことがあり、上手に利用すればそれなりに良い慣習だと言えると思います。
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