スポンサーリンク

日本人とシャケ

鮭 11月の行事

日本人はかなりの割合でシャケ(鮭)好きだと思います。

特に塩鮭は焼いて食べても、茶漬けにしても、おにぎりに入れても美味しいですよね。

鮭の種類はいろいろありますが、白鮭(しろさけ)本来の日本の鮭です。

春から夏には時鮭、秋は秋鮭と呼ばれますが、同じ白鮭です。

 

秋鮭とは

今ではアラスカやチリなどの鮭も多いですが、「秋鮭」と呼んで親しんできたのは秋に獲れる白鮭のことです。

鮭白鮭は日本の川に唯一上ってくる鮭。

養殖の鮭や遠洋漁業が発達する前は、日本で獲れる唯一の鮭でした。

鮭は、川で生まれ海に出ていき、また生まれ育った川に戻って産卵する母川回帰性のある魚です。

白鮭が川に戻ってくる時期が秋。

鮭の産卵シーズンは9月~11月のため、この時期に北海道や東北などの沿岸に戻ってきた鮭を「秋鮭」と呼ぶんですね。

 

北海道土産にもらった手掘りの熊をくわえていて、「北海道=鮭が美味い=熊も獲りに来る」

などと子供の頃に思ったものです。

 

 

まだ養殖や遠洋漁業がなく、冷凍技術や配送状態が悪かった時代には、塩漬けが唯一の保存方法でした。

しかし今では様々な地域からの鮭が出回り、それぞれの美味しさで食卓を飾ります。

白鮭、紅鮭、銀鮭、キングサーモン、アトランティック・サーモン、トラウトサーモンなど、スーパーにも並んでいますね。

もっとも、トラウトとはマスのことです。

代表的なものはニジマス。

その他にもブラウントラウト、イワナ、ヤマメ、アマゴなどもトラウトと呼ばれます。

ニジマスは淡水魚ですが、味が濃いのが特徴で、これを品種改良して、海港付近で養殖しているのがトラウトサーモンらしいです。

 

鮭の種類一覧

鮭の種類を見てみましょう

どれもほとんど見たことがあると思います。

種類 産地 特徴
白鮭(とき鮭) 日本 春から夏に獲れる天然の鮭で、若い鮭で脂がのっている
白鮭(秋鮭) 日本(北海道から東北沿岸) 9月~11月に獲れる産卵期の天然の鮭で、脂分は多くない
紅鮭 ロシア、アラスカ 5月~7月に獲れる天然の鮭
銀鮭 チリ

日本(三陸)

チリ産は11月~1月、国産は4~6月に獲れる養殖の鮭で、脂のりが良く、身がやわらかい
キングサーモン カナダ、アラスカ、ロシア 脂肪分が多く身が厚く、サイズが大きい
アトランティック・サーモン ノルウェー 養殖が多いので、脂のりが良く、フライ、ムニエル用
トラウトサーモン ノルウェー、チリ ニジマスを海水で養殖。焼き鮭や寿司ネタ、スモークサーモン用に用いられる

 

新巻鮭と筋子・いくら

さて、今は11月。

もうすぐお正月がやってきます。

今でも縁起物の新巻鮭(あらまきさけ)をお歳暮に贈る風習が残っており、おせちにも用いられます。

 

新巻鮭とは

新巻鮭(あらまきさけ)は、獲れたての鮭の内臓を取り除いて薄塩に漬け込んで、保存性を高めたものです。

身は切り身にし、卵は筋子として漬け込んだり、いくらにしたりして食べます。

鮭は、「災いをさける(避ける)」と考えられていることや、鮭の卵であるいくらの量の多さから「子孫繁栄」を表していると考えられ、縁起の良い食べ物とされています。

では、なぜ新巻と言うのでしょう。

それには諸説ある様です。

・塩漬けにした鮭を荒縄で巻いた「荒巻」からきた

・塩を粗く蒔いたので「粗蒔き塩」からきた

・藁で巻いたから「藁巻き」が「あらまき」になった

・塩漬けにした鮭を新しい藁で巻いたから「新巻」

いずれにしても江戸時代後期からはもう「新巻」と呼んだようです。

 

筋子といくらの違い

同じ鮭の子ども(卵)ですが、筋子といくらは形も味も違います。

その違いは何でしょうか。

筋子(すじこ)とは、サケ科の卵巣に入ったままの卵、またはそれを塩蔵したもの。


その名の通り、筋(すじ)のような卵巣膜によって卵が繋がっている状態です。

 

この卵巣膜を取り除きバラバラにしたものをイクラもしくはバラ子と呼んでいます。

筋子は、皮の柔らかい未熟なものを用いて作ります。

ある程度成熟したものはイクラに加工されます。

 

「イクラ」の語源は、ロシア語の「魚卵」に有ります。

ロシア語では「イクラ」はサケに限りません。

魚卵であればキャビア、たらこ、かずのこもすべて「イクラ」に分類されます。

例えば、サケの卵は「赤いイクラ」(красная икра クラースナヤ・イクラー)と呼ばれます。

チョウザメの卵であるキャビアは「黒いイクラ」(чёрная икра チョールナヤ・イクラー)と呼ばれます。

もともと日本では、筋子とイクラを区別する名称がなかったのですが、あるとき、ロシア人が粒状にばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを見た日本人が、これをイクラと呼ぶものと思ったことに由来するとされているようです。

今では全国的に筋子といくらの違いが認識されています。

 

秋鮭の栄養とおいしい食べ方

秋鮭は、高たんぱく・低脂肪・低カロリーでとてもヘルシーな食べ物です。

秋鮭は天然ものなので、養殖の鮭に比べると脂肪割合が10%以下ですから、脂身が少なくて物足りなさを感じることもあるかもしれません。

そういう場合は脂分が多いカマの近くをいただくといいですね。

しっぽの近くは脂分が少なめです。

また、生は身が柔らかいので、野菜と一緒に炒めたり、片栗粉や小麦粉をつけてムニエルにしたりするのがおすすめです。

鮭のムニエル

 

秋鮭のたんぱく質は、とても消化・吸収が良いです。

また、秋鮭の卵のいくら・筋子には青魚に多く含まれるといわれる必須脂肪酸DHAやEPAが豊富です。

ですから高血圧や生活習慣病の予防に良いといわれる食材なのです。

特に赤い色にはアスタキサンチンが含まれていて、アスタキサンチンは抗酸化作用を有するため、エイジングケアにも良いとされています。

 

秋鮭は、和洋中どんな料理にも使える幅の広い食材です。

ホイルを使って、ホイル包み焼にしたり、キノコと蒸したり、ちゃんちゃん焼き風に野菜と炒めたり、ムニエルにしたり、グラタンにしたりなどなどいろいろできますね。

また、味付けは味噌、醤油、酢などの和風のものだけでなく、バター、チーズ、牛乳、マヨネーズ、カレーなどとも相性が良いので料理の幅が広がります。

 

その他にも秋鮭を使ったメニューはたくさんありますが。。。

私の年齢になりますと。。。塩サケを焼いて、アツアツのご飯に乗せていただく。。。至福です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました