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日本の夏の定番「素麺と冷麦」 素麺と冷麦の歴史や特徴、おいしい食べ方をご紹介します

冷水に氷を浮かべ、冷たくして味わう素麺 日本の食べ物
冷水に氷を浮かべ、冷たくして味わう素麺

日本の夏といえば、涼を求める食卓に欠かせないのが素麺と冷麦(ひやむぎ)です。

どちらも冷たくして食べることで、暑い季節にぴったりの料理として親しまれています。

素麺

 

夏休みの食卓に毎日が素麺が出て、「また素麺? 飽きた~」という子供の声が聞こえそうです。

それほど身近な料理ですね。

 

素麺と冷麦は、見た目や食感が似ているため混同されがちですが、それぞれに独自の歴史や特徴があります。

この記事では、素麺と冷麦の起源や違い、そしておいしい食べ方についてお話したいと思います。

夏の定番料理を飽きずに、さらに楽しむための情報をお届けしたいと思っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

素麺の歴史と由来

素麺の起源は、奈良時代にまで遡ります。

当時、中国から伝わった「索餅(さくべい)」という小麦粉を練って棒状にしたものが、日本の素麺の始まりとされています。

索餅は、平安時代に入ると「索麺(さくめん)」と呼ばれるようになり、次第に現在の「素麺」へと変化していきました。

 

鎌倉時代には、奈良の三輪地方で素麺作りが盛んになり、現在でも三輪素麺は日本有数の高品質な素麺として知られています。

江戸時代に入ると、素麺は庶民の間にも広がり、特に夏の季節には欠かせない食べ物となりました。

日本各地には、地域ごとの特色を持った素麺があります。

例えば、兵庫県の「揖保乃糸(いぼのいと)」や香川県の「小豆島素麺」など、それぞれの地域で独自の製法や伝統を守りながら作られています。

素麺は、そのシンプルな味わいと手軽さから、現代でも広く愛されている夏の風物詩です。

 

冷麦の歴史と由来

冷麦の起源は、素麺と同じく奈良時代にまで遡ります。

冷麦もまた中国から伝わった食文化が元となっており、特に奈良や京都などの古都で発展してきました。

冷麦は、小麦粉を練り合わせて作る点では素麺と似ていますが、切り方や食感に違いがあります。

 

冷麦という名前が広まったのは江戸時代のことで、特に夏の暑い時期に冷たくして食べる習慣が定着しました。

冷麦は、その名の通り「冷たい麦の麺」という意味を持ち、冷たくして食べることを前提に作られています。

冷麦」の語の由来は、うどんの旧称「熱麦」に対する語であるとされています。

 

素麺との違いとして、冷麦は通常素麺よりやや太めに作られています。

また、製法や材料は似ているものの、食感や風味に微妙な違いがあり、それぞれの良さを楽しむことができます。

 

冷麦も素麺と同様に、地域ごとに特色があります。

例えば、秋田県の「稲庭うどん」に代表されるように、各地で独自の冷麦が親しまれています。

冷麦はその爽やかな食感と、冷たくしても変わらないコシの強さが特徴です。

 

素麺と冷麦の違い

素麺と冷麦は、見た目や食感が似ているため混同されがちですが、いくつかの明確な違いがあります。

傍目に見て一番の違いはその太さと思います。

日本農林規格(JAS規格)の『乾めん類品質表示基準』に、しっかりと設定されていますから、「なんとなく太い」ではなく、基準があります。

 

『乾めん類品質表示基準』における、素麵、冷麦、うどん の太さ

『乾めん類品質表示基準』によりますと、それぞれの太さの基準は次のようになります。

素麺ーーー直径1.2mm以下

冷麦ーーー直径1.3mm以上1.7mm未満

うどんーー直径1.7mm以上

 

この太さの違いによって、ゆで時間が違ってきますので、忙しい時に素麺は重宝しますよね。

ただ、ゆで時間を間違えますと、途端に伸びてしまうのが素麺です。

冷麦やうどん少々ゆで時間が長くても、そんなに伸びてまずくならないですから、扱いやすいかと思います。

 

素麺と冷麦 製法の違い

素麺も冷麦も主に小麦粉を使用して作られますが、素麺は細く引き伸ばして乾燥させる製法が一般的です。

これに対し、冷麦はやや太めに切り揃えることが多く、そのため製麺の際の引き伸ばし方に違いがあります。

ただし、今では機械で作るので、製法的にはあまり変わらないようです。

 

機械麺が一般化する以前には、素麺は手延べ工程により生地を細くするために断面が丸くなっていました。

一方、冷麦は生地を薄く打ち伸ばしてから細く切るために断面が四角になっていました。

 

機械で作っていても、「手延べ」と呼んでいるものは、昔ながらの手法を機械が代行しているようです。

お馴染みの揖保乃糸は、伝統の手法を使っています。

三ノ輪素麺も伝統手法です。

 

素麺と冷麦 食感の違い

すでに述べたように、素麵と冷麦では太さが違うため、ゆで時間が違います。

それ以外に食感も違うのは、皆さんも体験しているのではと思います。

 

素麺は直径が1.3mm未満の細い麺ですから、その繊細な食感が特徴です。

素麺の細さは、口当たりの良さと素早く茹で上がる点が魅力です。

一方、冷麦は直径が1.3mm以上1.7mm未満の太さを持ち、素麺よりもやや太めでしっかりとした食感が楽しめます。

冷麦は素麺に比べ、少し長めに茹でる必要があります。

乾麺のうどんよりは短く、素麺よりは長い時間となります。

とはいえ、今ではパッケージに茹で時間が表示されているのが一般的ですから、タイマーで管理している主婦がほとんどかもしれません。

その昔は、1本食べてみての硬さや食感を通じて、火を止めたものですが・・・

 

素麵と冷麦 食べ方の違い

素麺は冷やして食べることが一般的で、特に夏場には冷水でしめて氷を浮かべ、冷たいつゆでいただくことが多いです。

冷水に氷を浮かべ、冷たくして味わう素麺

冷水に氷を浮かべ、冷たくして味わう素麺

 

冷麦も同様に冷やして食べますが、その太さゆえに温かい麺つゆで食べることもあります。

 

にゅうめん」という料理を知っている方も多いと思います。

茹でた素麺を温かい出汁に入れたり、出汁と一緒に煮込んだりする温かい素麺料理です。

にゅう麺

 

素麺は奈良県の三輪が発祥と述べましたが、その地では冬場も素麺を食べる風習があり、にゅうめんは奈良県の郷土料理となっているそうです。

そうめんを温かく煮込み、うどんのようにいただくんですね。

熊本県の南関や徳島県の半田などもそうですが、素麺の産地では、寒い時期にはにゅうめんを食べることが多いそうです。

にゅう麺

 

おいしい素麺・冷麦の食べ方

昨今は素麺や冷麦のつゆを自分で作る方はあまりいないと思います。

市販の出しつゆを薄めていただくのが一般的ですよね。

でも、簡単に作ることができますから、一度試してみてはいかがでしょう。

 

基本の素麺・冷麦つゆの作り方

材料
– だし汁:300ml
– みりん:大さじ2
– 醤油:大さじ3
– 砂糖:小さじ1

作り方
1. 鍋にだし汁、みりん、醤油、砂糖を入れ、中火で加熱します。
2. 沸騰したら火を止め、冷ましてから冷蔵庫で冷やします。
3. 冷やしたつゆを器に入れ、素麺・冷麦つゆの完成です。

 

カツオなどでだしをとるのが理想的ですが、忙しい時は顆粒の「ほんだし」の利用でも構いません。

みりん、しょうゆ、砂糖を入れて煮て冷ますだけですから、かなり簡単と思います。

 

しかし・・・私の場合、とても簡単でよく使うのはこちらのそうめん専科です。

焼津産かつお節の一番だし北海道産昆布だしの合わせだし熟成かえしを使い、そうめんにぴったりの、まろやかで味に深みのあるストレートつゆ”ということなんですが、希釈せずにそのまま使えるし、サラダうどんに”かけつゆ”でそのままかけて食べられるし・・・

味が好みなので、我が家の素麵や冷麦のつゆはほぼこれです。

美味しいですよ♪

 

素麺・冷麦のおすすめアレンジレシピ

毎日いただくとさすがに飽きる・・・というわけで、アレンジレシピをご紹介します。

いろいろ工夫をして、あなただけのオリジナルレシピを作ってみてはいかがですか?

 

さっぱり梅素麺

– 基本の素麺つゆに、刻んだ梅干しと大葉を加えます。
– トッピングに白ごまや刻みネギを散らして、風味豊かな一品に。

 

ゴマだれ素麺

– 練りごま(白)大さじ2、醤油大さじ1、酢大さじ1、砂糖小さじ1、水適量を混ぜ合わせてゴマだれを作ります。
– 茹でた素麺にゴマだれをかけて、キュウリやカニカマなどをトッピング

時短したければ、市販のゴマしゃぶのたれや、胡麻ドレッシングをかけてもおいしいです。

豆乳素麺

– 豆乳200ml、だし汁100ml、醤油大さじ1を混ぜ合わせます。
– 冷やした豆乳スープに素麺を入れ、トッピングにミョウガやシソを加えて完成。

 

山菜冷麦

– 基本のつゆに、山菜の水煮や刻んだネギを加えます。
– トッピングにとろろ昆布やゆずの皮を散らして、風味豊かな一品に。

 

ピリ辛冷麦

基本のつゆにラー油を少量加えて、ピリ辛風味にします。
トッピングに鶏ささみやパクチーを加えて、エスニック風の冷麦に。

 

ツナとコーンの冷麦

– 基本のつゆに、ツナ缶とコーンを加えます。
トッピングにきゅうりやマヨネーズを添えて、洋風冷麦の完成。

 

冷麦は少し太いので、パスタ感覚の使い方ができます。

パスタソースの買い置きがあれば、かけて食べるのも美味しいですよ。

 

 

素麺・冷麦を美味しく食べるポイント

1.茹ですぎないこと

茹で時間が表示されていますから、参考にして茹でます。

 

2.噴きこぼれに注意

ゆで汁は粘性があるので、噴きこぼれを起こしやすいです。噴きこぼれそうになったら水を少し足して、止める方法が一般的です(差し水、ビックリ水)。

 

3.茹であがったらすぐに冷やす

まずは流水をかけて、ぬめりを取ります。

麺の粗熱が取れたら、用意していた氷水に入れ、しっかりとしめます。

しっかりとしめることで、コシが強くなり、美味しくなります

 

4.つゆのバリエーションを楽しむ

基本のつゆにアレンジを加えて、様々な味を楽しみましょう。

 

5.トッピングでアクセント

薬味や具材を工夫して、彩りや食感をプラスすると、素麺・冷麦の楽しみが広がります。

6.余ってしまったら

水を切って密閉容器やジブロックなどに入れ、冷蔵庫で保存します。

食べるときに軽く冷水をかけてほぐします。

保存時間が長時間になりますと、麺が伸びて美味しさが半減しますので、早めに食べきってくださいね。

まとめ

素麺と冷麦は、日本の夏を象徴する食べ物として、古くから親しまれてきました。

それぞれの歴史や由来、そして特徴を理解することで、さらに美味しく楽しむことができます。

素麺はその細さと繊細な食感が魅力で、冷麦はしっかりとしたコシと豊かな風味が特徴です。

基本のつゆをベースに、様々なアレンジレシピを試すことで、日々の食卓に新しい楽しみを加えることができます。

また、冷たいつゆだけでなく、温かいつゆでも美味しくいただける点も、素麺と冷麦の大きな魅力です。

乾麺は、古来の日本人の知恵が作った保存食です。

特に夏場のなま麺劣化が早いので、「まだ大丈夫」と思っても傷んでいる場合があります。

乾麺なら、そのような心配がないので、上手に利用したいものです。

 

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