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亥の子の日 こたつ開きと、現代の暖房事情に思う

こたつと猫 11月の行事

日本の行事は二十四節気をベースとするものが多いです。

先日お話した立冬は代表的な節気の一つです。

また、陰暦に基づいている行事が多く、干支(十二支)の呼び名はかなり浸透しています。

土用の丑の日など、なんのことか分からなくても「ウナギを食べる日」として知っている方は多いのです。

 

十二支。。。身近ですね。

子丑寅(ね、うし、とら)から始まるのですが、「草木も眠る丑三つ時」なんてあるように、時刻も表します。

 

昔からある行事や慣習では干支の月名がまだ残っています。

亥の子(いのこ)の日

亥の子の日」とは、亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日をいい、どちらかというと西日本に収穫祭をする風習がある様です。

2021年の「亥の子の日」は11月11日です。

言い伝えですが、「亥の子の日」に火を入れると火事にならないと言われており、「こたつ開き」をする慣習があります。

亥は陰陽五行説で火を制する水にあたるため、亥の月亥の日から火を使い始めると火事にならないとされたのだそう。

そこで、「亥の子の日」にこたつや囲炉裏(いろり)などに火を入れるようになり、「こたつ開き」と呼ばれて親しまれました。

今でも、茶の湯では「亥の子の日」に「炉開き」を行うところも多いですね。

 

亥の子の日と暖房

ひと昔前は、「亥の子の日」が暖房器具を出すひとつの目安になっていました。

縁起もよくて安心ということですが、今はエアコンで冷暖房を切り替え、室温を一定にして暮らすことが多くなりました。

そのような事情から、直火の暖房器具は少なくなっています。

現代は暖房事情も様変わりして、亥の月亥の日から火を使い始めると火事にならないという言い伝えは死語になりつつあるように思います。

 

私の子どもの頃、「豆炭こたつ」と言うのが主流だった時期があります。

こたつにこたつ用の火鉢を置き豆炭を入れ燃焼させ、こたつの暖にしたものです。

電気はいらないですし、直火とはいえ結構安全でした。

豆炭

 

も良くこたつに潜り込みましたが、豆炭の出す一酸化炭素や二酸化炭素で意識が朦朧とするらしく、よたって出てきてはまた入るを繰り返していました。

一酸化炭素中毒になってはいけないので、猫を叱ったものでしたが。。。

最後には、頭だけ外に出して体を温める技術を習得し、あっぱれと思った思い出があります。

こたつと猫

昔はいたるところに隙間風があったので、私たちに害はありませんでしたが、現代の家屋は窓につけドアにつけ断熱のため隙間なく密閉されていますから、まずいですね。

 

今の時代、キッチンでさえIHヒーターを使う家が多くなりました。

エコキュートでお風呂を沸かし、エアコン、電気こたつと、火が目に見えません

亥の月亥の日から火を使い始めると火事にならないという言い伝え空振り気味です。

 

子供たちが大きくなるころには、火の体験が少なくなり、マッチを擦ることもできなくなるのでしょうね。

安全には違いなく、否定するつもりはありませんが、古人が持った火への畏怖の念がなくなる文明もどうかなぁなんて思ってしまいます。

 

寒さに弱くなってしまった私は、亥の子の日を待たずに暖房三昧で、偉そうなことは言えませんが。。。

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